父の死

突然、ではなかったが、父が亡くなった。
もう意識はない、呼吸が苦しそうだ、いたたまれない気持ちでいた時に、母がすぐそばで父の葬式の話を始める。
何かで聞いたことがある。聴覚は最後まで残っている、と。

「お父さんに聞こえるよ。可哀想だよ。」
と言っても、母には届かない。

父と、色々あったことはもう、赦すことにした。
苦しかった自分のことも、赦すことにした。
「あんたは、けんちゃんの年金のおかげで大学に行けた」
「けんちゃんの年金がなければ、生きていかれなかった」
「だから、何かあった時は、けんちゃんを頼みます」

これを言われると、何も言い返せない。

実際に考えてみると、奨学金を2つ掛け持ちし、返却は全て自分でした。
仕送りはなかったし、学費を支払う時は前期・後期それぞれ2~30万ずつは実家に送金した。
名もない私立四大だから、年間4~50万円ほど出してもらったことになるだろうか?
4年間でどんなに多くても、200万円ほどだろうか。

高校生の時は、バイト代をいくらか渡していたし、社会人になってからボーナスは月額の生活費とは別にいくらか渡していた。
トータルで200万円以上は、きっと渡している。

いつまでも言われたくない。
こんなことが足かせになるのなら、もっと貯金して、結婚する時に手切れ金として渡せばよかった。

一生言われるのだろうか?

我が子には、金銭面では苦労させたくない。
それなのに、今は充分に働いているわけではない。

寄生虫。

パート代は、自分のためには使わないけれど、ごく僅かは生活費に消える。

もう少しだけ、子どもが大きくなったら。
家で「お帰り」と言わないでも寂しくない、という歳になったら。

働いて、働いて、お金を貯めて…
その先に、何があるのか。

 | BLOG TOP |  NEXT»»