呪文

『かな、お刺身にわさびをたっくさん、付けて食べるの好き!』

就学前、子どもは食べられないようなものが好きでした。
本当に、大人の目の前でわさびのたっぷり付いたお刺身を、ぱくり。
周りの大人は目を丸くして、私の方を見ます。

『これくらい、平気よ!大したことがないんだから!!』

褒めてもらいたい…んじゃなくて、早く大人になりたかったのかな。
認めてもらいたい気持ちが強かったのかもしれませんね。


『これくらい、平気よ』
私の、強くなれる呪文です。

ちなみに、イカの塩辛・わさび漬けなどもパクパク食べていました。
…単なる食いしん坊でしょうか(笑)
「あんた、かなちゃんはお嫁にやらないんでしょ」
…あのおばさん! またお母さんに言いに来てる!!

「将来、けんちゃんが一人になったら近所でも困るでしょ。
かなちゃんだって、結婚してけんちゃんみたいな子を産んだら大変よ」
…お母さんが、うつむいている。

あのおばさん、…嫌い。大嫌い。
けんちゃんのまねして、噛みついちゃおうかしら!
でも、そんなことしたら、お母さんがもっと泣いちゃうのかも…


かなは、お嫁さんにはならない。
けんちゃんと、お母さんのそばにいるの。

それがいいの。普通のことなの。
おばさんに言われなくても分かっているんだから。

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