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大学の入学式が終わると、早々に母は、「もう、ここで」と言いました。
少し目が赤かったので、母は花粉症持ちですし、疲れたのかな?と、
私は思っていました。

『ありがとう、お母さん』と、私が伝えると、「体には気をつけなさい」と母。
『大丈夫よ』と、私が笑って母に言うと、「またね」と母も笑っています。

隣にいる母の背中が、小さく見えました。

少しだけ、私の方が身長は高くなっていたけれど、そういう意味ではなく、
母の背中は驚くほど小さく見えたのでした。

母と別れて私は、とぼとぼと4畳半のアパートに帰り、少し泣きました。
これから始まる一人暮らしの不安が全くなかったわけではないのですが、
その時は母の背中が小さく見えたことに、とてもショックだったのでした。

そして、その時に初めて素直に思ったことがあります。
私、親にちゃんと大事に大切に育ててもらっていたんだ…と。

いつも、自分は必要じゃないと寂しい思いを抱いて生きてはいたけれど、
親は自閉症児を育てながら余裕のない中、私のことも思っていてくれた。
余裕のないのは当たり前。だって、あんなに大変な思いをしてきたもの。

親はいつも「うちには、けんとかなっていう二つの大きな宝がある」って、
言っていた。「うちのバカ娘は…」と言うことは一度も言ったことがなく、
「うちの子はとてもいい子よ」と誰に対しても言っていたっけ。
「いい子」って言われるのも辛い時期はあったけれど、そう言う風に言われ
嬉しいと思ったこともあったはず。

この、折角実家から離れた大学生活の4年間をどう生きようか。
遊んで生きるのは簡単だけど、あまりバカなことはしないようにしよう。
将来を賢く生き抜くために、社会福祉士の国家資格は絶対取得しよう。
福祉の勉強は本当は別にしたくないのかもしれない。
でも、ぐだぐだ言わないで自分にできることからやっていけば、きっと…


きっと… の先は、その時点では続きませんでした。
でも、この時の思いは、その後の人生を豊かなものにしてくれました。

生きる理由が良く分からないと言いつつも、将来のことを考えたりして、
おそらく本当は、強く生き抜く力が欲しかったのかも、と思います。

多分、入学式の時に母は泣いていたんでしょうね。
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