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結婚できるのか?と幼少期から周りに心配されていたのが嘘のように、
彼との結婚の話はトントン拍子に進みました。

私たちは、結婚式及び披露宴をすることを決めました。
私は、重度の自閉症のけんちゃんに出席してもらうか否かを悩みました。
自分の両親は「かなが決めていい。施設で週末預かりもできるから。」
と言います。
彼の両親は「私たちはいつか、かなちゃんのお兄さんにも会いたい。
心に準備ができてからでいいからね。」と言います。

彼の方の出席者は、けんちゃんのことを知らない人が殆どです。
私の方の出席者も、半分はけんちゃんのことを知りません。

『自分で決めないといけないんだなぁ…』

成人になったけんちゃん。2時間ほど席に座っていられるでしょうか。
パニックは起こさないか?耳は塞がないか?違和感はないか?

どうするのがいいのだろう?私は、ずっと悩んでいました。
結婚することが決まり(このあたりは省略…)私の両親へ伝える。
勿論、諸手を挙げての大賛成。反対する理由は何一つ、ない。

しかし、最大の懸念は彼の両親への挨拶。
「僕から伝えようか。」という彼に、『ううん、私が言う。』と。
理由は、伝えた時のリアクションで本音を読み取ろうとしたため。


その日は数年前の父の日だった。
両親からの挨拶の品のほか、けんちゃんからということで、
大きいメロンを箱入りで持たせられました。
(実は義父はメロンが大嫌いなんですが(笑)知らなかったし…)

汗をかくのに、手足は冷たく、いつになく緊張する私です。
電車で彼の両親の家に向かう途中も、無口になってしまいます。


彼の両親の家に着き、蒼い顔のまま挨拶をします。
「いやぁ、お前でかしたな!」「本当にこんなにいいお嬢さんを。」
彼の両親は、私の緊張を解こうと一生懸命に話してくれます。

彼の両親はとにかくめでたい!というウキウキした様子で、
私はなかなか話し始めることもできないままでした。
彼は暫く私の様子を見ていましたが、俯く私を見かねて言いました。
「かなさんから、ちょっと話があるんだ。」一瞬静まります。

…。

『あ、あの…。突然にこのような話をするのもどうかと思うのですが、
私には、重度の知的障害の…自閉症という障害の兄がいるんです…』

…。

…。

「何だ、そんなことか。」言葉を発したのは、彼の父でした。
長年マスメディア関連の仕事をしているという彼の父は続けました。

「そんなこと、何も気にする必要はない。大したことではない。
あなたが今までどのように生きてきたか、見ればちゃんと分かる。」
「そうよ。私たちは、今日この日を本当に楽しみにしてきたんだから。」
彼の母も、重ねるように私に話してくれます。

私も、ふっと表情が緩みます。
「ほら、やっと笑った… 安心しなさい。もう私たちの娘なんだから。」
「お父さん、良かったわね。最高の父の日のプレゼントよね。」


その後のことは、もう覚えていませんが、帰りの電車の中で、
「かなちゃんを見ていられなくて…タイミングがあったろうに、ごめん。」
そう彼に言われたことは覚えています。

彼の両親と今後も上手くやっていかれるように努力しよう…
そう誓った私でした。

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